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2016/07/26(火)みなし残業制度のアレコレ#解説

お疲れ様です、野村です。

みなし残業制度ー
今日のはちょっと古いネタですが、未だによく分からない制度と感じている方も多いのではないでしょうか?
ちょっと身近で話題になったので、以下にまとめておきます。

本日の議題

本当は労働者有利の制度です

平たく言うと、「残業しなくても働いたことにしてくれる」制度です。
これが10時間だろうが40時間だろうが、予め契約されていた金額がもらえるんです。
つまり、労働者としては残業をしなければしないほど得な訳です。とても素晴らしいですね!
こうなれば、私も労働者として手放しで喜べます。が、事実はそう甘くないのです…

よくある勘違い

勘違いの例を上げましょう。すっごい極端な例を示すと以下です。

月給制20万円
※残業時間40時間を含む

さて、ここから時給を計算してください。
当たり前ですが、20万円 / 160時間 でも 20万円 / 160+40残業時間 でもありません。
事実はもっと複雑です。

以下の計算式が正しい内容になります。

20万円 = ( 時間額x * 160時間 ) + ( 時間額x * 40時間 * 1.25 )
20万円 = 160 + 50 時間(時間額x)
20万円 = 210時間(時間額)

より

200,000 / 210時間 .= 952円
これがあなたの時給です。
残業代はこの金額に対し所定の率を掛けあわせた数値となります。

みなし残業制度の良い点

以下のケースを想定してください。

基本的に毎日定時で帰れる会社です。
そうすると160時間分で給料を計算するので、以下のようになります。

952円 * 160時間 = 152,320円

しかし、あなたは契約通り20万円の給与を手にする事が出来ます。

20万円 / 160時間 = 1,250円

この働き方をしたのと同義です。あなたは普段より価値の高いお仕事をしたのです。
素晴らしいですね。

これが本来想定されているみなし残業制度です。

実情

まず定時で帰れないです。

そもそもの話ですが、定時で帰る人に20万円を払うのが嫌なら、元々時間給952円の残業なしで完了できるスケジュールを組めば、みなし残業時間など設定しなくていいわけです。
最初から月給15万円、月間平均残業時間40時間で求人を出しとけ、とすら思います。

が、月給15万円の仕事と20万円の仕事なら、どっちが応募者が来ますか?という話でもあるんです。
当然、20万円の方がいいですよね


そうなると以下のような心理が発生します。

労働者心理として、さっさと帰ってしまいたいので時間給で1250円の仕事をしていると思うようになります。残業時間はタダ働きです。
そして使用者側の心理として、952円で残業をさせられるので残業の人件費を節約出来ると思うようになります。本来は40時間分の残業代も払ってるんだから仕事をしてもらわないと困ります。
たとえば残業分の給料を払っているんだから飲み会に参加しろ、というアレですね。皆さんも1度は経験されたんじゃないかと思います。

こういう側面が私を懐疑的にさせています。

実践的な話

さて、みなし残業制を採用しているのは労働者でしょうか?それとも使用者(企業)でしょうか?
そんなの、考えるまでもありませんね。使用者側です。

皆さんが使用者なら人件費を浮かせたいと思いませんか?
そうする企業が設定した時間で最大限のリターンを得たいのであれば、要はみなし残業時間分、帰らせなければ良いのです。
定時で帰りたい人間には元々定時までの契約でみなし残業時間を0時間とすれば、もっとも人件費を抑えられるでしょう。
こういう方は最初から952円で契約しておきます。会社としては他の労働者と同じ待遇をします。
ただ、他の労働者には「君たちより時給は低い」と言えるわけです。

参考:ひねくれた考え方

みなし残業代込みでキッチリ帰れたら時給1,250円だから良いですが、それならみなし残業代とかナシで時給1,250円の仕事を取りません?
現実に即していうと、同じ月給20万円でも、みなし残業時間という文言のせいで残業代がカットされている感覚になりません?
もっと単純に、同じ業務を行って40時間残業してでも月収20万円を取るか、40時間残業をしなくて良い事がある程度保証されつつも気兼ねなく月収15万円を取るか、それで良いじゃないですか。

わざわざ残業を強制されるかも知れないけど月収20万円はもらえる、というようなある意味精神衛生上好ましくない環境で仕事したくないです。
もっと言うと、今月はちょっとピンチだから頑張ろう!と思っても少なくとも41時間は働かないと残業代が貰えない*1が増えないと言うのは結構心理的に辛いです。


何度も言いますが実際は月給20万円=40時間込み、ではなく月給15万=残業40時間込み、なんですが、こういう認識も出来てしまうのがみなし残業制度なのです。

*1 : 語弊がありますが、経験則に基づく当事者の認識です。

最後に

もう一度言いますが、本来は労働者有利の契約です
会社で運用するなら「時給換算で952円だが、残業をせず帰れるなら早く帰った分だけ時給換算で見た時の給与があがる」と従業員に正しい教育をしておきましょう。
その方が幾分かやる気を出してくれると思います。

逆に、こういう事実を敢えて出さないことによって、従業員が暴走する可能性もあります。
せっかく良い制度を取り入れているのだから、正しい理解と正しい運用がされる事を望みます。
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